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導入

連邦および州・準州レベルの制定法により、消費者製品の構造、デザイン、表示に対して多くの規制が課されています。

規制当局は、製品が法定の基準を遵守しているかどうかを確認するため、抜き打ち検査・サンプリングをしばしば行っています。これは人身傷害発生の危険性を最低限に抑えるためです。また、消費者や競争事業者からのクレームを受けて、調査を開始する場合もあります。

製造者、供給者、輸入者がかかる規制を遵守しなかった場合、関連する法律に基づいた罰則を受けることがあります。また、輸入品が規制を遵守していない場合は、オーストラリアへの輸入自体が拒否されることもあります。消費者は規制が遵守されなかったために発生した損害について、私的な法的処置を取ることもできます。そのため、消費者製品を扱う企業は、製品のリスクをすべて未然に防止し効果的に管理するための実効的なプログラムを整備する必要があるといえるでしょう。

オーストラリア規格は、一般的には任意のものですが、多くは、法律で準用されており、遵守が義務付けられています

法律の複雑さ

オーストラリアでは、法域によって、同じ製品を規制する方法が異なる場合があります。また、ある製品が具体的にどの法律の適用を受けるかを見定めること自体が難しい場合があります。さらに、一定の輸入品には、表示に関して追加的な義務が課されることがあります。また、その他にも、ACLや他の消費者保護に関する法律など、より一般的な法律があります。産業界のガイドラインや実務規則が適用される場合もあります。

そもそも製品を法律に基づいて分類することが容易にできない場合には、さらに難しい問題が生じます。例えば、化粧品と医薬品の成分が似ていても、その機能が違うともいえる場合があり、そうすると適用される規制の基準が違うものになる可能性があります。このような場合、製品の提示方法、提案されている使用法、製品を市場に売り出す際の広告内容などの要素が、製品の分類を決定する上で参考になります。

オーストラリア規格

オーストラリア規格は、一般的には任意のものであり、法律で準用されない限り、拘束力はありません。ただし、これらの規格の多くは、法律で準用されており、結果として遵守が義務付けられています。オーストラリア規格は、例えば、特定の製品につき、その性能特性、構造、製造方法・過程、組立て、包装に関し、一定の規則を遵守するよう定めることができます。また、消費者に提供する情報の種類を規定することもできます。

現在、合計2,500ほどのオーストラリア規格が法律に編入されています。場合によっては、規格に準拠していることを示すため第三者機関による認証が必要になることもあります。例えば、電気安全法では、トースターやヒーターなどの一般的な家庭用電化製品について、関連するオーストラリア規格の遵守、認証の取得、取得した認証のマークの標示が義務付けられています。

また、オーストラリア規格は、ACLにおける強制的な消費者製品規格の基準としても使用されています。連邦政府は、任意規格の全部または一部を強制的な規格とする権限を有しています。オーストラリア規格の遵守を義務付けられている製品には、自転車(性能および安全上の基準)、子供用寝間着(デザインおよび生地の仕様、表示の基準)、サングラス(性能および安全上の基準)などがあります。

強制的な規格を遵守しなかった場合には、犯罪に該当することになります。また、任意・強制を問わず、規格を遵守しなかった場合には、それが過失の証拠になったり、製品に欠陥があることまたは使用目的に適合していないことの証拠にもなり得ます。

危険な製品

オーストラリアでは、製品に含まれる成分が、その化学的特性のゆえに身体や環境に害を与えるおそれがある場合、その製品には法律による厳格な規制が課せられます。例えば、有毒物質を含む家庭清掃用品や医薬品などがこれに該当します。このような製品の保管、取扱い、運送、包装、表示、広告を規制する各種の法律があります。

毒物の表示や包装に関する基準の多くは、「薬物・毒物統一基準(Standard for the Uniform Scheduling of Medicines and Poisons)」で定められており、制定法に様々な形で準用されています。この基準には、これらの製品に含められるべき、使用方法、注意事項、安全上の指示などの情報が定められています。特別な包装(例えば子どもが開けられない安全な密封容器)が要求される場合もあります。

また、危険な製品に関する法律には、爆発性、毒性、可燃性、腐食性のある製品の運送、表示、および包装に関して必要な事項も定められています。

特定の製品の登録

オーストラリアでは製品の製造者または製品自体について、登録が要求される場合がしばしばあります。たとえば、薬品・医薬品の製造は、免許を有する製造者だけに認められています。また、薬品・医薬品は、販売前にオーストラリア薬品・医薬品登録簿(Australian Register of Therapeutic Goods)に記載または登録されていなければなりません。さらに、薬品・医薬品の製造、成分、取扱い、表示、広告に関して、厳格な基準があります。

薬品・医薬品は、危険性のレベルや製品に関する広告内容によっては、安全性および効能について検査が行われることがあります。薬品・医薬品の広告主は、包装や広告に使われる表示内容の正確性を裏付けるのに十分な証拠を保持している必要があります。また、特定の薬品・医薬品については、広告について規制当局の承認を得るための手続も法律によって規定されています。

この他に登録が必要とされる消費者製品には、除草剤や殺虫剤など駆除用の化学製品、化学肥料や一定のプール用化学薬品などがあります。こうした製品の供給を行おうとする者は、オーストラリア農薬・動物医局を通じ、申請を行う必要があります。また、これらの製品の表示に関しても、それぞれ基準があります。

食品

オーストラリアの州・準州には、食品に関する法律があり、食品の成分、包装、広告、表示、および食品を扱う場所や設備の衛生について規制しています。

すべての州・準州で、あらゆる食品の表示に関する基準を規定しているオーストラリア・ニュージーランド食品基準規約(Australia New Zealand Food Standards Code)が採用されています。この規約では、一定の表現の使用が禁じられているほか、ある特定の条件下でのみ使用できるとされる表現(例えば、健康や栄養に関する表示内容)も定められています。これらの規制は、比較的頻繁になされている規約改正により、さらに厳しくなってきています。

また、個別に許可を得ない限り、食品添加物、ビタミン類、ミネラル類、特定の植物抽出物などの物質を食品に加えることは、原則として、禁止されています。規約においては、特定の食品に適用される基準も規定されています。また、新しい種類の食品や遺伝子組み換え食品などのいくつかの食品は、安全性に関する厳しい検査を受けてはじめて販売することが可能になります。

商品の計量

州・準州の商品計量に関する法律においても、包装された食品や他の消費者製品の表示について特定の基準が設けられています(基準は全国で統一されつつあります)。この法律の基準は、特に免除されていない限り、オーストラリアで包装される製品およびオーストラリアで販売するために輸入される製品のすべてに適用されます。またこの法律には、包装された製品の量目不足による刑事責任も規定されています。

広告内容

ACLは、取引や商売にあたって、誤解を招いたり人を欺いたりする行為を、全般的に禁じています。また、ACLは、一定の虚偽の表示、例えば、ある製品が特定の規格、質、価値、等級、構造、様式、型式のものであるとか、特定の来歴や使用歴について、虚偽の表示をすることも禁じています。

製品の表示や広告の内容については、ACLの規定に照らして争われることが多いため、これらの内容は必ず裏付けができるものである必要があります。オーストラリアの規制当局は、広告内容についての証拠の提出を求めて実証通知書を発したり、また、広告内容に法律違反があると判断した場合に違反通知書を発したりする権限を持っています。裁判所は、広告内容が誤解を招くものかどうかを判断するにあたり、明示的および黙示的な表現が正確であるか、また全体的な印象が的確であるかなどの点を検討します。

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